超生命体の偏愛図鑑

二神敦 さん

博覧会マニア/万博記念公園ツアーガイド(50歳)
兵庫県在住/兵庫県出身

ケチな大阪人も入場料を払う、EXPO'70会場跡地としての価値

⸺その大阪もんは?
EXPO’70の公式グッズで、当時の会場案内図がプリントされた風呂敷……なんですが、風呂敷を紹介したいわけではなく、会場跡地として残っている「万博記念公園」を大阪の宝として紹介したい。現在の総面積は約260ヘクタール、甲子園球場の約65倍ある巨大な公園。「ケチな大阪人がお金払って公園に来るんだ〜」って言われるけど、それだけの価値がある場所なんです。

⸺その大阪もんのええところを教えてください。
やはり「太陽の塔」の存在が大きいですよね。本来のシンボルタワーであった「エキスポタワー」が解体され、「人類の進歩と調和」という万博のテーマに対抗する意図で建てられた「太陽の塔」が残っているのは皮肉な話ですが……大阪の人たちにものすごく愛されてるんですよ。他にも、旧鉄鋼館が「EXPO’70パビリオン」として残されていたり、「日本庭園」も当時のまま残されています。僕は今、万博記念公園のツアーガイドを勤めていますが、1970年の大阪万博を経験していないということが、悔しくて仕方ない。なんでもっと早く産んでくれなかったんだ……!と親に抗議しています。

⸺あなたにとって大阪もんとは?
なんだかんだで、関西の中で大阪が一番「持ってる」街だなと。自分たちで「アホやから〜」って自虐しながらも、なんか要領いいんですよ。ズルい(笑)。太陽の塔が残っていることもそうですが、2025年の万博公式キャラクター「ミャクミャク」もなんかズルいじゃないですか。京都や神戸ではありえない。あれを認める度量や寛容性があるのが大阪であり、おしゃれにならないところも大阪のいいところだと思っています。

※掲載時(2023年5月1日)の情報です
取材・撮影:トミモトリエ

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