超生命体の偏愛図鑑

松尾泰貴 さん

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ソーシャルデザイナー/八尾 変態(38歳)
奈良県在住/八尾市出身

立ち話からできた八尾のコラボ商品は、背景に「交ぜる人」あり。

⸺その大阪もんは?
「LOMA」の「ウッドクリーナー&ワックス」。八尾にある石鹸・洗剤メーカーの木村石鹸工業株式会社とインテリア・DIY商材メーカーの友安製作所のコラボ商品です。八尾を盛り上げ、ものづくりの魅力を次世代に伝えるために立ち上げた「みせるばやお」で生まれました。

⸺その大阪もんのええところを教えてください。
この商品の誕生は、友安製作所の社員が「フローリングの手入れが面倒」と木村石鹸の社員に何気なく話したことがきっかけでした。社員同士の立ち話はノリと勢いから膨らみ、手間が格段に省けるクリーナー、ワックス、さらにフレグランスが一つになった商品の開発へ。そして友安製作所が飾ってもお洒落なパッケージをデザインし、商品が完成しました。これをきっかけに企業間のアイデアベースの話が一気にしやすくなり、一企業だけでは難しい商品の開発やブランディングが次々と進むようになりました。

⸺あなたにとって大阪もんとは?
「おもろい」から始まり、そこに人と情熱が合わさってできるものだと思っています。大阪の企業はおもろいことがとにかく好きで、それだけで動機になることも多い。いきなりオープンイノベーションをするのは難しいけど、企業や商品を作っている人やストーリーを知って、仲が深まっていくと「一緒にやったろかな」という気持ちになる。それは商品を手に取る人やそのまちに住む人も同じだと思います。夢洲だけじゃなく、大阪の町工場一つ一つが万博会場になれると信じて、2020年からオープンファクトリー「FactorISM」を開催してきました。そんな僕ですが、昔は自分の住むまちが嫌いでした。でもそれはまちを知ろうとすらしていなかったから。実際は知れば知るほどおもろくて、気づいたら八尾市の「変態行政マン(前職)」と呼ばれるほど、まちを偏愛するようになってました。誇りを持てるまちを作るには、まちのことをよく知り、人やモノが交じり合うことが大切です。だから僕は、まちの課題やアイデア、人を「交ぜる人」であり続けます。

※掲載時(2023年5月1日)の情報です
取材・撮影:オカジマアヤノ

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