⸺そのアートは?
金属パーツや廃材から作った、ロボットのフィギュアです。スクラップの山を見ていると、「ここから手が生えたらどうなるんやろう」「ここ、目に見えるよな」ってつい空想してしまうんですよ。何かの部品で、用途は分からないけど単純にかっこいい、というものもあって。そういうものを集めてロボを作り続け、気づけば数百体になっていました。20代前半からなので、もうずいぶん長いですね。思えば昔は、勉強は全部嫌いやのに、工作だけは大好きな少年でした(笑)。これは作品の中でも最大クラスで、高さは30cmを超えています。ボディはもともとドリル。知人が「壊れたから廃棄する」と言うので、それなら、と譲ってもらいました。古いものは電気系統がだめになると捨てられてしまう。でも、こんなにかっこいいのにもったいないって思いませんか?
⸺そのアートのええところを教えてください。
他の作品と違うのは、乗り込み式になっていて、コックピットがあるところです。ハッチを開けると、中で小さなロボが操縦しているんです。誰に頼まれたわけでもないのに、内側にまで作り込んでしまう。思いついた瞬間が、もう楽しくて仕方ないんですよ。こだわりは、元の素材を潰しすぎないこと。パーツごとに手を加えまくって、何の部品だったか分からなくするやり方もあるんですけど、僕はやりません。「スパナに目が付いてるんやな」くらいの、元の姿が想像できる状態で止めておきたい。自由に何でもできるより、制限がある方が燃えるんです。1体ずつ名前や性格、ストーリーもあって、全てInstagramに載せています。昔の作品と見比べると、全体のバランスやパーツの活かし方が洗練されてきたな、と思いますね(笑)
⸺あなたにとってアートとは?
直接何かの役に立つものではないんですけど、楽しくて仕方ない。できることならずっと作っていたいくらいです。あらためて振り返ってみると、根っこにあるのは、1970〜80年代のテレビやおもちゃだと思います。妖怪、怪人、モビルスーツ……でも一番衝撃的だったのは「ロボダッチ」。たくさんのキャラクター展開があるプラモデルシリーズです。僕がいまだに無数のロボを作り続けているのは、間違いなくこれが原点。それから、子どものころに「おとぼけモンスター」と出会ったのも大きかった。「ラットフィンク」で知られるエド・ロスによるモンスターのプラモで、僕の作家名もそこからきています。結局、そうやって自分の中に作られていった「かっこいい」を形にしたい。そんな欲求に駆られて、作り続けているだけなのかもしれません。
※掲載時(2026年7月23日)の情報です
取材・文・撮影:山瀬龍一






