超生命体の偏愛図鑑

NaNaKa さん

  • Instagram

ダンサー(16歳)
豊中市在住/豊中市出身

骨の湾曲も個性。背中に爆弾を抱えながら、世界に通用するB-GIRLに

⸺その肉体は?
人よりも柔らかい自慢の腰と、側湾症という障害のある背中です。側湾症が発覚したのは2年前。現在はダンサー(B-GIRL)として活動していますが、その前は器械体操をやっていて、その時の疲労骨折が原因でした。全然気付かなくて……あと5度曲がっていたら即手術だったと言われました。手術をしてボルトを入れると、ダンスができなくなってしまう。だから、あと5度曲がらないよう筋肉を鍛えながら、制限の中でブレイクダンスを続けています。

⸺その肉体のええところを教えてください。
側湾症のせいで、できない技が多いんです。頭で回転する「ヘッドスピン」など、パワームーブ系の大技ができない。そのかわり、片手でクルクル回るのは得意。「女の肩じゃない」ってよく言われるんですが、肩の筋肉が異常らしい(笑)。あと、フリーズも得意です。ブリッジからのフリーズって難しいんですが、それができるのが私の強み。ヘッドスピンができなくても、オリジナルの技を強化すれば、大会で勝つこともできる。偏り過ぎているけど、自分にしかできないことを生かして、世界に通用するB-GIRLになるのが夢です。

⸺あなたにとって肉体とは?
背中に爆弾を抱えてる状態だけど、側湾症になったことで悲観したり後悔したことはなくて。障害を個性にできたらと思っています。実は、ブレイクダンスをはじめたきっかけは、8歳上の姉が交通事故にあったことでした。ダンサーとして世界を目指していた姉が、車椅子生活を余儀なくされ、会話もままならない状態に……。当時小学5年生だった私は「お姉ちゃんのかわりに夢を叶える!」と、ダンスの道へ。姉は最初、私がブレイクダンスをすることに反対していたんです。「自分の好きなことをしてほしい」って。でも、結果としてダンスが私の一番やりたいことになった。今では姉も、「私の夢」を応援してくれています。でも、いつも見に来てくれるわけじゃなくて、姉は姉で自分のことで忙しいみたい。車椅子生活になった今もすごくアクティブで、友達とよく旅行に行くんですよ。うちの家族、障害を気にしないのがいいところ。悲観することを知らないですね(笑)

※掲載時(2023年10月23日)の情報です
取材・撮影:トミモトリエ