超生命体の偏愛図鑑

ニッキー吉田 さん

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ラウンジ店長/ウーナーギーツ(33歳)
泉大津市在住/岸和田市出身

社長失踪で廃業…それでも続けたい!中毒者続出の沼るウナギ

⸺そのお弁当は?
僕がこれから”復活”させる予定の鰻丼。1年前まで「uner Geats(ウーナーギーツ)」名義で鰻のテイクアウトや出張販売をしていたんですが、去年の夏に社長が失踪して……廃業を余儀なくされたんです。従業員4人の小さな鰻の加工場で、僕以外は全員社長の親族でした。若手の僕が「新しいことをやって盛り上げていこう!」と頑張っていた途中で、まだまだやりたいことがたくさんあった。今でも出張販売先のお客さんから「また食べたい」とたくさん連絡をもらうんです。今は違う仕事をしているんですが、やっぱり鰻屋を続けたい!と思って、クラウドファンディングで支援を募集中(2023年11月末まで)です。

⸺そのお弁当のええところを教えてください。
究極の「悦」ですね。高揚感が違う。本当に美味しい鰻を食べた時って、脳内麻薬ドバドバ出るんですよ。関東は「蒸し焼き」が主流ですが、関西は「直火焼き」が基本。失踪してしまった社長は、職人気質で商売は下手だったけど、社長が焼く鰻は本当に美味しくて。活鰻(生きた鰻)を毎朝仕入れて、手焼きでその日のうちに捌いて焼き上げるんです。タレも他とは違います。一度食べたらやみつきになること間違いなし。中毒者が続出してます。

⸺あなたにとってお弁当とは?
出張で鰻のお弁当やおにぎりを販売をしている理由は、鰻に出会う機会を増やしたいから。大阪の人たちを鰻の沼にハメるための活動です。美味しい鰻を食べたことない人って多いんですよ。スーパーやチェーン店の安い鰻しか食べたことないとか、鰻の味を誤解している人がいる。高い店に入らなくても美味しい鰻食べれるんやで!と、美味しい鰻とバッタリ出会あわせたい。店で客を待つのではなくプッシュするスタイル。今後は、子供には鰻おにぎりを格安で売って餌付けしたろかとも思ってます。「あそこの鰻美味しかってん」って親に言ってもらえたらと(笑)

※掲載時(2023年11月17日)の情報です
取材・撮影:トミモトリエ