超生命体の偏愛図鑑

高津祐次 さん

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アーバニスト(39歳)
大阪市在住/岡山県岡山市出身

エロと古典、大阪の文脈を表現するインパクト特大な刺繍キャップ。

⸺その帽子は?
ランチに寄った[DELI]で出会った「信太山(しのだやま)」の刺繍が眩い謎のキャップです。信太山といえば飛田新地に並ぶ花町として大阪男子には有名な場所で、そのエロい響きが面白くて即買いしました。個人的にはつばが短いキャップが好きなので、まったく好みじゃないんですけど……刺繍のインパクトに一目惚れ。大阪人に気づいてもらえたらオモロいなーって、フジロックにも被って行ったんですが、誰ひとり反応して貰えませんでした(笑)

⸺その帽子のええところを教えてください。
そりゃインパクトある刺繍でしょ!信太山の文字はもちろんなんですが、よくわからん刺繍が踏んだんだし、中でも「狐と武者」が渋いですよね。気になって信太山について調べたら、人形浄瑠璃や歌舞伎の演目になっている安倍晴明を題材にした『葛の葉伝説』がモチーフだったんです。古典芸能を愛する身としてはテンション爆上がりなモチーフだし、なにより大学進学で大阪に出てきてから永く安倍晴明にゆかりある阿倍野区近辺に住んでいたりと、自分とのキャップの接点にただならぬ結付きを感じています。

⸺あなたにとって帽子とは?
身体の一部に見えるほどファッションには欠かせないものだし、言葉にしなくても、自分自身の文脈を伝えてくれる最高のアイテムです。例えば、高圧洗浄機のケルヒャーを買った時には、あまりの性能に感動して、その感動を伝えたいからとロゴキャップを探して買いました。酒場などで「なんでケルヒャー!?」ってツッコまれる度にしめしめと勝手に宣伝しています。3台は売ったちゃうかなw 信太山キャップに関しても旅先に被って行くと、必ず「のぶたやま?」って聞かれるし、それをきっかけに大好きな大阪の話ができて最高なんですよね。僕と会った時にはメッセージを受け取ってください。

※掲載時(2022年12月28日)の情報です
取材・撮影:関戸ナオヒロ