超生命体の偏愛図鑑

とくちゃん さん

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サケトメシ店主(45歳)
大阪在住/和歌山出身

「現地行った方が早い」。ツテもレシピもないまま飛んだ先の、ミャンマーカレー

⸺そのご飯のお供は?
ミャンマーカレーです。初めて食べた瞬間、「これは大阪にもないし、絶対日本人の口に合う」って思った味で。出会いは7年前。うちの常連さんの奥さんがミャンマー人で、作ってきてくれたのがきっかけでした。当時はChatGPTもないですし、YouTubeでレシピ検索しても全然出てこんくて。やから「現地行った方が早い」と思って、すぐにミャンマーへ飛んだんです。ツテも何もなくて、 奥さんにミャンマー語で「日本からカレー習いに来ました」って書いてもらった紙を持って、レストランを渡り歩きました。そしたら、たまたま泊まった宿のママが「私、カレーめっちゃ上手やで」って言ってくれて、市場に連れてってもらって、宿の片隅にカセットコンロを置いて無理やり作ってもらって。それがまた美味しくて。その味が、今のベースになってます。

⸺そのご飯のお供のええところを教えてください。
食べたことない味なのに、懐かしいんですよ。ミャンマーに行ったことない人でも、「なんか知ってる味やな」ってなる。インドのスパイスも使うし、タイのナンプラーとかレモングラスのハーブもあるけど、ココナッツミルクは入れへん。よく「タイとインドのミックスみたい」って言われますね。だから「どこかで食べたことある」のに「どこでもない」味になるんやと思います。作り方もスパイスもシンプルで、水分を飛ばしながら旨味を油に移す。スパイスはターメリックとパプリカが主軸で、クミンとかコリアンダーはほんまにちょっとだけ。大阪にいてもネパールとかタイのカレーはどこでも食べられるけど、ミャンマーカレーはあんまりないんですよ。まずは一回、食べてほしいですね。絶対にハマると思うんで。

⸺あなたにとってご飯のお供とは?
「自由に個性を出せるもの」ですね。大阪のスパイスカレーって、正解がないし、めっちゃ自由。自分の個性をめっちゃ出せる。人と被るのが好きじゃない俺にとって、ハマったきっかけのひとつでした。昔からそうで、髪型ひとつとっても、高校生の頃からアフロみたいなパーマやってたり、髪で遊ぶのが好きやった。若いころはレゲエダンサーやったり、最近は、舞台俳優デビューしたり、テーマパークでゾンビ役をしたり、ずっと自由にやりたいことが多すぎて、とりあえず順番にやってる感じですね。

ミャンマーカレーは、最初は「名前だけで癖が強い」「食べにくそう」って想像されることが多かったけど、とりあえず食べてもらったら伝わると思って、ひたすら出してきました。カレーEXPOでは、ブランド牛や高級食材が並ぶ中で、ミャンマーチキンカレーが優勝したこともあるし、和歌山のイベントでも連覇しました。「ミャンマーカレーが美味しい」っていうのを、この7年で少しずつ伝えられた感じはありますね。日本人にミャンマーカレーの良さを伝えるのは、もう俺の宿命やぐらいに思ってます(笑)。

※掲載時(2026年8月27日)の情報です
取材・撮影:はまだみか