⸺そのご飯のお供は？
僕が開発した「マンチュリアンソース」の瓶詰め。コルカタ発祥のインド式中華料理で、「マンチュリアン＝満州風」の意味。カレーとチリソースが合体した感じですね。「チキンマンチュリアン」はオープン当時から推してる［ちから食堂］の看板メニューなんですけど、マンチュリアンの認知度がなさすぎて、毎回「これ何？」って聞かれる。スパイスカレーブームでいろんな種類のカレーが知られるようになっても、マンチュリアンの時代はなかなか来ない……。普及し続けます。

⸺そのご飯のお供のええところを教えてください。
［シンズキッチン］で働いてた時に食べて「なにこれ、うまー！」って感動したんですよ。現地では「ゴビ（カリフラワー）マンチュリアン」とか、野菜を揚げたものと合わせることが多いみたいだけど、ソースだけで十分ご飯のお供になる。クミン、コリアンダー、カルダモン、クローブ、マスタードシード、カスリメティ、ターメリックなど、スパイスが大量に入っていて、シンズキッチンで教えてもらったレシピを自分なりにアレンジして、改良に改良を重ねて今の味になりました。

⸺あなたにとってご飯のお供とは？
白飯の引き立て役。おかずが主役になるようじゃダメですね。白飯で白飯食べれるくらい米が好きなんで、「おかずなんて要らない」って言いたいくらいなんですけど、自分が店で作ってるメニューはおかずの主張が強いものが多いですね（笑）。元々食べることは好きだったけど、自分が飲食店をやるとは思ってなかったんです。「club JOULE」で働いてた時に、フード出店で来てたシンさん（シンズキッチンのオーナー）に気に入られて、「うちで働かない？」って誘われて。その後［炉ばたワコー］で働いた時に独立を決意するんですけど、スパイス過剰で主張が激しいのはシンさん譲りです。

※掲載時（2023年11月27日）の情報です
取材・執筆：トミモトリエ