超生命体の偏愛図鑑

オカジマアヤノ さん

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ライター/編集者(24歳)
東大阪市在住/東大阪市出身

1本ずつ取り出して個性を愛でる、大好物のぬいぐるみ

⸺そのぬいぐるみは?
幼少期からの大好物、フライドポテトのぬいぐるみです。SNSでポテト好きを公言していたら、ツイッターの友達がプレゼントしてくれました。私がポテトに目覚めたのは3歳のころ。親の目を盗んで食べたじゃがりこがあまりにおいしくて、一気に完食したのがきっかけです。当然ながら3歳児の胃袋はキャパシティ超えで直後は……って感じだったんですけど、不思議とトラウマにはならなくて。その後、小学生のときに母がマクドナルドでパートに入るようになると、自然とポテトを食べる機会も増えました。遅れて6歳上のお姉ちゃんも同じマクドでバイトを始めたことを思えば、英才教育だったなと思います。大学生になると、ファストフードにファミレス、居酒屋といろいろなお店のポテトを食べ歩くように。同級生とポテトサークルを立ち上げて、商品ごとの塩加減や硬さ、カットの仕方などを表にまとめていました。バイト先のビアバーでは、ミスをして落ち込んでいる私に先輩が「これ食べて」とポテトをごちそうしてくれたことも。この出来事以来、外はカリカリだけど中はふにゃっとした、いかにもジャンクフードなポテトが一番好きです。結果的についたあだ名は「ぽての」。誇張抜きに毎日食べても食べ飽きることがなくて、冷凍庫には常にストックがある状態を保っています。

⸺そのぬいぐるみのええところを教えてください。
しっかり存在を主張するサイズ感と、ケースから1本ずつ取り出せるところです。もともとぬいぐるみ好きでピーク時には50体くらい持っていたんですけど、どれもモノとは思えないし、それぞれに人格があるなって。このぬいぐるみも1本ずつ微妙に表情が違って、その個体差を愛でるんです。腹立つ顔してるな〜とは思うんですが(笑)。個体差でいくと、ポテトもじゃがいもの真ん中はホクホクだったり、端の方はカリカリだったりするじゃないですか。なんとなく共通する部分がある気がします。ポテトに限っていえば、人と食べているときに自分が狙っていたのを取られて、悔しい思いをすることもあるんですけど。あと、実用性という意味では肩叩きに使うときもあって、これも取り出せることのメリットだなって思いますね。

⸺あなたにとってぬいぐるみとは?
肩叩きに使っておいてなんなんですが、常に自分のそばにいてくれる家族のような存在です。反面で仕方なく処分するときは、そのたびに呪われるような気がして(笑)。だから最近は捨てるのではなく、メルカリで「里親」を見つけるようになりました。そんな別れの悲しさを味わわないためにも、いずれはぬいぐるみ専用部屋をつくって、このポテトのぬいぐるみの仲間を増やすのが夢。大勢集まると、ジブリ映画みたいになりそうですけど。ちなみに今日の撮影場所の花園中央公園は、小さいころからよく遊びに通っていた場所なんです。私を育ててくれた地元の公園と食べ物がこうして出会えて、すごく感慨深い日になりました。もうひとつの夢はフライドポテトの移動販売をすることなんですけど、花園ラグビー場も近いし、いつかここでお店を出せたらうれしいですね。

※掲載時(2023年8月3日)の情報です
取材・撮影:関根デッカオ