⸺そのアウターは?
1977年に作られたLIGHT ZONE L2-Bっていうアメリカ空軍のフライトジャケットです。軍モノって女の子っぽい服に合わせても甘くならないところがファッションとして楽しい。10代のときはミリタリーの知識が全くないまま、古着屋で買った軍モノをよく着てたんです。それからギャルソンとかアンダーカバーが好きになって、有名ブランドのデザインにもミリタリーが影響しているって気づいて、軍モノとブランド、古着をミックスするのが自分のスタイルになりました。
⸺そのアウターのええところを教えてください。
袖に付いているポケットって元々ボールペンホルダーだったんです。だから、当時のペンキャップが入っていたり、インクのシミが付いていたり、前の持ち主の痕跡が感じられるところが楽しい。今日着てきたのはメンズのXLサイズなんだけど、アメリカの人は何でも乾燥機に入れるから、小さくなってるんですよね。裏地が縮んでいるから、吊られて背中がぽっこりしてたり、ジッパーが歪んでチグハグになったシルエットも気に入ってます。
⸺あなたにとってアウターとは?
一枚でインパクトがあるのも好きだけど、自分でアレンジを楽しめるかどうかで選ぶことが多いかも。ビンテージに関してはストーリーを感じられるアウターを選びます。軍モノって自分の身を守るものだから、燃えにくいとか、脱ぎやすさとか、どんな最高ブランドより一番考えられて作られてるんですよね。私たちには必要ないスペックだけど、それがカッコいいなって思ってます。
※掲載時(2023年2月27日)の情報です
取材・撮影:関戸ナオヒロ