こんにちは。ヘンとネンの蛇行案内人、納谷ロマンです。
あっという間に2023年が終わり、2024年に突入。今年は、でっかく連休でもするかあ…と、意気込んだのですが、年末年始はほぼ体調不良でした。1月1日に、大好きなともだちのとち坊&さかちゃんの入籍に立ち会えたくらいしか連休の思い出はありません。というわけで、2024年も筆を握る平常運転な日々がやってきております。
本連載は私ロマンの趣味である変なもの集め(現代古物収集)でお世話になっている、先輩や友人のお店を訪れて、そのお店の店主さんに、売りたくない商品を聞くというなんともつかみどころのない企画です。
前回の連載は昨年の9月頃に執筆したので、だいぶ間が空いてしまいました。ですが、僕の古物への愛は全くもって冷めておりません。年明けそうそう、みんな大好きな芸人さんのスキャンダルがあったり、気が気じゃないスタートをきっている2024年。そんなときこそ、このゆるい連載をお供にする時間が必要なのではないでしょうか。
さてさて、今回の『売りたくない商品』にご出演いただくのは、普段から僕が古着や雑貨を買いに行っているショップ[MARFA]のオーナー・大西さんです。
店内に並ぶアイテムはアメリカで買い付けた古着がメイン。大西さんの気分で買い付けへ飛び、いろんなディーラーから買い付けてくるスタイルなのだそう。90’sのストリートやスケーターの匂いを感じるアイテムや、古着感が全面にで過ぎていない大人しやかなアイテムが並び、いわゆる古着屋のような雑多な感じは皆無。だからこそアイテムは見やすいし、大西さんの説明もゆるやかかつ丁寧なので買い物していていつも心地がいい場所。
僕はというと、冬場に重宝している、L.L.Beanのフリース、ホワイトソックスのベースボールキャップ。あとは、ETのぬいぐるみなんかを購入させてもらいました。30代中盤〜40代中盤の層が「若い時分に買えなかったもの」みたいな品が「あ!これ!!」といった感じで見つかります。だから、ついお金を使ってしまいます。ですので、この世代にジャストフィットする方は注意してください。
[MARFA]でついつい買ってしまったものたち
こんな魅力的なアイテムが並ぶ[MARFA]のオーナー・大西さんが売りたくない商品。いったい、どんなものなんでしょうか。ちなみに今回は、売りたくない理由が今までと少し違ったテンションです。そこにも注目しつつご一読いただけると幸いです。
取引はブラックコミュニティ限定?!レアすぎな、映画のプロモーションキャップ。
商品名:『HE GOT GAME』public relations hat
仕入先:USA
ブランド名:不明
原産国:USA
売りたくない理由
一番最初にアメリカ買い付けに行ったとき、とある黒人ディーラーのとこに3回買い付けに行ったんですよ。で、最初に行った時に出会ったのがコレ。『HE GOT GAME』っていう主演デンゼルワシントン、監督スパイクリーの映画のプロモーション用に作られたキャップっすね。僕はふたりともめっちゃ好きやから、手に入れたい!ってなったワケです。でも、いわゆるコレクティブなアイテムであること。ほんで、基本的にブラックコミュニティでしか取引されてないって話やったんです。やから、買い付けさせてもらえず。
しばらくして「バナリパがめっちゃ出てきたから覗きにおいでよ」って誘われて、二度目の買い付けに。その時も「あのキャップってやっぱアカン?」って聞いてみたけど、買い付けさせてもらえるワケなく。で、アメリカ滞在最終日にそのディーラーから「在庫整理してたらいろいろ出てきたから見にけーへん?」と、再三の連絡が来て。買い付けの最終日って、基本的に荷物は送っちゃってるし何か買うってことは無いねんけど、とりあえず行ってみたら買い付けられるものがホンマに全然なくて「全然買えるもんないやん!せっかく来たしあのキャップ売ってくれへん?」ってゴネたら向こうが折れてくれて。半ば無理やりディールできた感じっすね。たしか、100ドルで買い付けたんやったかな。
正直うちで販売するにも利益出しづらい金額で仕入れてるし、アイテム自体を気に入ってるからずっと店の奥で寝かしていて。でも、このキャップを被ってほしい人に出会ったら売ります。なんて言うんやろ、仕入れてるアイテム全てに共通してるんですけど、やっぱ最高に似合う人に買ってもらいたいんですよね。これも、どうしても!っていう人で、僕のジャッジで似合うって思った人、そして譲っていいって思える人が現れたら譲ります。値段は……どうしよかなぁ……。
あ、こんなに好きで思い入れあるって散々言うてきたけど、僕まだ『HE GOT GAME』観たことないんですけどね(笑)。
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