初めましての方もそうでない方も、こんにちは。ヘンとネンの蛇行案内人、納谷ロマンです。
「ロマンの連載もそろそろ始めてください」と、相棒のトミモトさんからケツを叩かれまくりまして。「いよいよやらなアカン」という、使命感を胸に自身の連載をスタートした次第です。
さて、僕の趣味は古物を集めることでして。平たく言えば古物収集なんですが、そんなたいそうな感じでもなく……。変なツボ、ぬいぐるみ、どこかの土地の民芸品……と、どういった経緯で作られたのかが、あまりわからないものをみつけては収集しています。で、それを事務所(家)に飾って、妙な満足感を得ています。
そんな趣味を持つ僕が、古道具屋や雑貨屋、古着屋や街のリサイクルショップの店主に、この店で一番売りたくない商品を聞いて回るのが本連載。名付けて売りたくない商品!一見すると、なぜそれを売りたくないのかはわからない。けれども、それを売りたくないエピソードを聞くとなるほど納得……と、なるのが本連載の見所です。
そして記念すべき第一回にご登場いただくのは、普段から僕が雑貨を買いに行っているショップ[DELI]です。
ランチ営業をしているので、訪れるのはランチ目当てが多いんです。が、オーナー・入江崇さんがナイスな審美眼で買い付けてくる雑貨や洋服など商品に目がいって、気づけば会計が1万円オーバーってこともしばしば。正直こわいです。お金を使いすぎちゃうので。
DELIでついつい買ってしまったものたち
こんな魅力的なアイテムが並ぶ[DELI]のオーナー・入江崇さんが売りたくない商品。いったい、どんなものなんでしょうか。というか「物を買い付けて販売するのが仕事なのに、売りたくない」ってどういうことなんだろう?なんだか、僕自身も頭がこんがらがってまいりましたが、みなさんもそんな不思議な気持ちを胸に、ご高覧くださいませ。
アメリカの寂れた工具店で出合った、工業用グローブ。
商品名:「-Power Tool- AMERICAN SAFETY」
仕入先:アメリカの寂れた工具店
ブランド名:不明
原産国:中国
売りたくない理由
「8年くらい前やったかな、アメリカに雑貨と古着の買い付けに行って。パッと目に入ってフラッと覗いた、寂れた工具店で出合った工業用グローブ。カラーリングがかっこよすぎて手に取ったんだけど、タグを見たらポリエステル60%レザー40%、made in chinaって書いてあって。なんか、いろいろ嘘やろってなって。でも、そういうのも込みでかっこええやんってなった。それ以降もいろんなグローブと出合ってるけど、一回もこれに勝るかっこよさのものは見つけられてない。だから、売りたくないんだよね。いっそこれをモデルにしてオリジナルのグローブを作ろうかな。そしたら、このグローブは樹脂とかで固めて店のどこかに飾ります」