昭和33年から残る「西長堀アパート」に住むWebディレクターの部屋

Avatar photo
関戸ナオヒロ

ツッコミ

『ヘンとネン』をご覧のみなさま、はじめまして。ライターの関戸ナオヒロです!今回、晴れてキックオフとなった本メディアに連載させていただくことになりました。

大学を卒業後、就職もせず地方のホテルで住み込みバイトやゲストハウス暮らし、果てには友人の実家に居候。根無草として仕事と住処をフラフラとしていた人間ですが、ライターの仕事をしたいがために大阪に1年前にたどり着いた次第。そんな僕が今借りているお部屋がこちら。

大阪に来て知り合った服屋さんが倉庫として使っていたワンフロア。「ここなら月5000円でええよ」と嘘のような金額で、冬は極寒、夏は灼熱、加えて風呂なし、という魅力的な空間を提供していただきました。金欠で、街のことを右も左もわからない自分を面白がってくれる先輩たちに、ご飯やお酒をご馳走してもらったり、洋服や自転車をいただいたりと、完全に大阪の街にパラサイトして生活をしています。

さて、前置きが長くなりました。今回は、パラサイト男の僕が、大阪で暮らす人の家にお邪魔して、「泊めてもらう」「お風呂を借りる」「ご飯をご馳走してもらう」のいずれかを甘えて、リアルな大阪暮らしの魅力を追求する企画です。」

第一回目にお邪魔させていただくのは、IT系のなんでも屋ことジャンボさん。急なオファーにも関わらず引き受けてくれました。ありがたすぎます。

お邪魔させてくれた人
ジャンボさん
Webコンテンツの企画、ディレクション、デザイン、開発を中心に活動するクリエイティブ・プロダクション「株式会社ZIZO」のディレクター。最近は日本各地の珍味・調味料集めにハマっている。
@jamjamjambo

西長堀駅からすぐの巨大なアパートの一室に住むジャンボさん。いったいどんな暮らしをしているんでしょうか。お邪魔してみました!

ナオヒロ
急にお願いしちゃってすいません!
ジャンボ
ほんま急やな(笑)。とりあえずOKしたけど、何をするかもよくわかってないんやけど。
ナオヒロ
あんまり説明してないですもんね……中で説明してもいいですか?
ジャンボ
強引やなあ。まあ、外は寒いしとりあえず入って。
ナオヒロ
お邪魔します!
企画の説明をするナオヒロ。突然の来訪に驚くジャンボさん。
ナオヒロ
と、そういうわけでジャンボさんの暮らしを見せてほしいんです。
ジャンボ
ようやく状況が飲み込めてきたわ。要は、俺の部屋を紹介させてほしいってことね。いや、それなら掃除くらいさせて欲しかったわ……。
ナオヒロ
リアルな暮らしがわかって良いじゃないですか。というか、めっちゃオシャレな部屋ですね。POPEYEとかBRUTUSの部屋特集で出てきそう。
ジャンボ
いや、物が多いだけやねん。せっかくだし、ちょっと飲みながら話そうや。ナオヒロくん何飲む?
ナオヒロ
突然の訪問なのにおもてなしが凄い……!

取材はジャンボさんのウェルカムドリンク(缶ビール)からスタート。ホストの歓迎には100%で応える。それもハイパーお宅訪問の流儀なのだ。しばらく飲んでいると程よくアルコールが回り、緊張の糸が緩まった。

ナオヒロ
さて、すっかり寛いじゃってるわけですが、ちょっと取材っぽいことも。お部屋の間取りとかって?
ジャンボ
この部屋は間取り的には1LDKやね。広さで言うと43平米で、一人暮らしにしてはだいぶ広々してる。
間取り

ジャンボ
西長堀駅まで徒歩1分で行けるし、難波も梅田もチャリ圏内。近所にスーパーがいくつもあるし、静かで落ち着いたエリアだから生活しやすいなあ。
ナオヒロ
徒歩1分!めっちゃ駅近ですね。建物もレトロでいい感じ。
ジャンボ
せやねん。ここはかつて司馬遼太郎も住んでたっていう歴史あるマンモスアパートやねん。少し前まで、同じ階の違う部屋に住んでたんやけど、手狭になって引っ越したんよ。
ナオヒロ
同じ階で引っ越しするくらい気に入ってるんですね。それで、肝心な家賃っておいくらなんでしょうか…?
ジャンボ
53,000円や。ナオヒロくんのところほどじゃないけど、だいぶ安いやろ?
ナオヒロ
この間取りと立地で53,000円は破格ですね!ちょっとお部屋も見てもいいでしょうか?
ナオヒロ
昔のカルチャー雑誌から、難しそうな専門書まで、本がたくさんありますね。気になる本だらけ。
ジャンボ
気になった本はすぐ買っちゃうんだよね。最近はあんまり買わないで、積んである本を消化するようにしてんねん。そのロッキングチェアが読書スペース。
気になっていた漫画『少年イン・ザ・フッド』を発見してテンションが上がるナオヒロ。
ナオヒロ
水色のタイプのブッダマシーンは初めてみました。カワイイ。
ジャンボ
ええやろ?高円寺の「ハオハオハオ」っていうブッダマシーン専門店で買ったんよ。たしか999曲内蔵だったと思う。
ナオヒロ
なんか、これだけ物の数が多いのに散らかって見えないお部屋ですよね。アイテムも統一感はないんですけど、ジャンボさんの好きなものを集める場所として部屋全体がまとまっている気がします。趣味全開の部屋って感じでカッコいいなあ。
クッションがたくさん。
謎の木魚コーナー。
このソファベッドで寝てるそうです。
ナオヒロ
家ではどんな過ごし方をしてるんですか?
ジャンボ
本読んだり、映画みたりで、一人のときは家ではお酒を飲まんなあ。友達と集まって宅飲みすることが多いから、お酒とか調味料とかは充実させてる。おもてなしするのが好きやねん。
焼酎、日本酒、ワイン、ジンと、充実したラインナップ。全て来客用というホスピタリティ。
ジャンボ
ジンで美味しいのあるけど、飲まへん?
ナオヒロ
いただきます!
酒がジンに切り替わり、ペースが加速。
アイスペールが普通にでてくる家ってすごい。
左は鹿児島の桜島みかんを使用した、なんともオシャレなクラフトジン。

お酒をたらふく飲み、取材かどうかも曖昧になってきたころ、「一泊させてもらう」という命題を思い出した。

ナオヒロ
いやー、部屋もオシャレでお酒も美味しくて、すごい寛いじゃってます。居心地最高ですね!
ジャンボ
せやろ!どんどん飲んでや!
ナオヒロ
ところで、もし良かったらなんですけど、今日、泊まらせてもらうことってできますか?
ジャンボ
今日!?いや、それはキツイなあ。明日も仕事やし……。
ナオヒロ
ぐっ。そうですよね……。無理言ってすいません。
ジャンボ
その代わりに、近所に気になってる店があるからそこで飲み直そうや。ちょうどお腹も減ってきたし。
ナオヒロ
ありがとうございます!行きましょう!

こうして、宿泊の交渉は失敗に終わったが、近所のお店で朝の3時まで酒を飲み明かした。そして、次の日。

ジャンボ
寒くてしんどそうやったから、結局泊めてしもた。
ナオヒロ
朝起きたとき、一瞬「ココどこ!?」ってなりました。泊めてくれてありがとうございます。
ジャンボ
俺も楽しかったからええねん。

まさかの最大目標であった一泊を達成。ジャンボさん、何から何まで、本当にありがとうございました。

眠そうな目で見送ってくれたジャンボさん。
ナオヒロ
お土産までもらっちゃって、ほんとうにありがとうございました!
ジャンボ
使わんやつだから全然ええよ。また飲もうや。気い付けてな。
ナオヒロ
お邪魔しました!!

帰り道に、ジャンボさんの家の近くの神社にて参拝。せめてものお礼にと、心優しきジャンボさんの健康とご活躍を神様にお願いしてきました。

いかがでしたか。突然の訪問にも関わらず、快くおもてなしをしてくれて、最終的に泊まらせてもらって……。ほんと、この上ないほどお邪魔しました。人情の街、なんて言うように、大阪は僕のような蛇行した人間を暖かく受け入れてくれる街……なのかもしれません。

「パラサイト関戸のハイパーお宅訪問」では、訪問先を募集しています!ご協力してくれた方には、できる限りの範囲でなんでもお手伝い致します!ぜひご連絡をお待ちしております。

おまけ
Tシャツ2枚と、プロジェクター用のスクリーンをもらった!
寝起き、眩しいシンクロ。
ジャンボさんのモーニングルーティーンを手持ち無沙汰に見守るナオヒロ。
飲みに行った居酒屋さん。ちょっと一杯のつもりが朝の3時に。
150歳を目指しているみたい。超人。
次の記事
パラサイト関戸のハイパーお宅訪問

寺田町の「2階建て古民家」に猫と暮らす、シティーボーイなカメラマンの家

パラサイト関戸のハイパーお宅訪問をもっと読む