超生命体の偏愛図鑑

チャーミー さん

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整う飲食店プロデューサー(43歳)
箕面市在住/兵庫県出身

息苦しいのはオーガニックじゃない。滅茶苦茶な私を整える、土の香りの幸福物質

⸺その野菜は?
愛媛県の農家さんから直送してもらっている「ハッピーキャロット」というにんじんです。あるドリンクスタンドのメニュー開発を依頼されたのが、このにんじんとの出会いでした。
私は11年間のオーストラリア生活を経て、テーブルの上に食の森を作り上げる「グレージングテーブルコーディネーター」や「整う飲食店プロデューサー」として活動しているんですが、実は私、にんじんとトマトが大嫌いだったんですよ(笑)。火を通すと味が変わる野菜が許せなくて。
そんな私が、このにんじんに衝撃を受けました。市販のものと全然違って、しっかり土の感じがして、味がものすごく濃いんです。今は家に20本くらい送ってもらって、毎日ただただスティックにして生で食べてます。

⸺その野菜のええところを教えてください。
作り手の「優しさ」が詰まっているところですね。日本のオーガニックって、「無農薬」とか「グルテンフリー」とか、お金がかかる「意識高いこと」になりがちじゃないですか。でも、私がオーストラリアで学んだオーガニックは「人生そのもの」なんです。環境に優しい行いをすること、動物を愛すること、そして素敵な仲間と楽しくご飯を食べること。みんなにいい循環を生む生き方すべてがオーガニックなんですよ。
「JAS認証」を取っていなくても、農家さんが変な薬を使わず、どう美味しくするかを一生懸命考えて作っている。スーパーで買うのもいいけど、生産者さんの顔を思い浮かべながら買う。それこそが本質的なオーガニックだと思うんです。「これはダメ、あれはダメ」って自分や他人の首を絞めるようなタスクマニアにならず、映画を観る時に「にんじんスティック食べよう」ってナチュラルに選べる。そういう心の広がりが持てるところが最高ですね。

⸺あなたにとって野菜とは?
「ゆとりある自分を取り戻すためのもの」ですね。私の理想は「中谷美紀さんのような、静かな青っぽい女」なんですけど、現実は全くじっとしていられなくて、ぐちゃぐちゃ。周りからは「どちらかというとフワちゃんに似てる」って言われるんです(笑)。理想と現実のギャップがひどすぎて、2日に1回は泣いてます。
忙しすぎて気が立ってる時は、「あ、今の私、全然オーガニックじゃないな」って反省します。だからこそ、私はストイックすぎない「ゆるオーガニック」を提案したいんです。ヴィーガンだからって他人を攻撃するのは違うし、毎日ファストフードばかりなのは良くないと思うけど、たまに吉野家やマックに行っても、好きな人と一緒に食べて幸せホルモンが爆上がりするなら、それはすごく健康的な時間だと思うから。
2026年4月に自分の集大成となるカフェ「Swallow Studio」もオープンさせます。私に出会ってくれた人や、お店に来てくれた人が、このハッピーキャロットみたいにちょっとでも元気になってくれたら、それが一番の幸せですね。

※ 掲載時(2026年3月21日)の情報です
文・撮影:トミモトリエ