⸺そのストリートフードは?
[FAT DOG STAND]のホットドッグです。ストリートフードは全部好きだけど、ホットドッグ屋の僕のアイデンティなんで。[ガクヤバーガー]に出合ったのが、僕がホットドッグを作り出したきっかけです。当時、自転車で働いていたけど、その仕事を離れようとしていた時にうまい食いもんを作って、それでみんなを笑顔にして、自分もハッピーになれる。飲食店の仕事ってホンマに最高やなって気付かされたんですよね。で、飲食店をやるって決めて。[ガクヤバーガー]で感動したけど、ハンバーガーはそこがナンバーワン。だから、バーガー以外で好きなストリートフード…って考えた時に浮かんだのがホットドッグでした。いざ試作をはじめて、[ガクヤバーガー]のマサキくんに食べてもらったんですけど、それが人生で食った食い物で一番不味くレベルで。僕含め、リアルに吐いたんです。そこから、豚肉の使い方、原価の計算とかをマサキくんに一から習って、その指導のおかげで、お店を開業できた感じですね。
⸺そのストリートフードのええところを教えてください。
うーん、感動を与えられるものですかね。うちのホットドッグって安くないんですよ。でも、ソースやトッピング、ソーセージにパン…とにかく、全て妥協してなくて。ほんまに、食べてもらって損させない自信がある。店をオープンして8年、このお店にたち続けて、いろんな人に食べてもらってきました。本気でうまいものを出してる自信もあるから、もっと多くの人に食べてほしいなって思います。ホットドッグは店で出すのが一番うまい状態なので、イベントとかに出すこともない。だから、一度この店に足を運んでみて欲しいですね。
⸺あなたにとってストリートフードとは?
自分のアイデンティティであり、幸福感を感じられて与えられるツールっすね。それこそ、自転車屋で働いてる時と今って出会いの数も、おもしろい出来事に出会う頻度も段違いで変わってると思うんです。それもこれも、全てはホットドッグのおかげやなって。あの日クソ不味いホットドッグを作ったとき、これは無理やなって諦めなくてほんまによかったって思います。さっきも通りがかりの小学生に「マクドの方が安い!安くして!」って言われたんですよ。もちろん「無理やで」って言いました(笑)。そういうホットドック=安いみたいなイメージですけど、僕の作るホットドッグの価値とか魅力が「グルメドッグ」として、より多くの人に広めていけるように、頑張るっす。
※掲載時(2024年12月26日)の情報です
取材・文:納谷ロマン