超生命体の偏愛図鑑

TAKAHIRO さん

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shot bar THRee 店長(38歳)
大阪在住/大阪出身

飲むたびに「ただいま」って思える。香りを考えながら飲むジン

⸺その酒は?
お気に入りのジンなんですけど、タンカレー・ナンバーテン(No. Ten)です。僕が「お酒ってこういう楽しみ方もあるんや」って初めて腹落ちした一本です。出会いはシンプルで、ネットで「ナンバーテンっていう酒があるらしい」って知って、家の近くの酒屋さんに行ったら置いてあったんです。1本4000円ぐらいするし、飲んだことないボトルを買うのは結構リスキーやったけど、ドキドキしながら買って、開けた瞬間から「もっと知りたい」って思わせてくれました。それからお酒の世界にどっぷりハマって、いつか自分の酒場を持ちたいと思うようになって。飲食の経験も長かったし、会話も好きやったから、酒場っていう「つながりが生まれる場」を自分で作りたくて。人生一回きりやし、お店出そうって決めました。その時に何のお店にするか考えたら、お酒の中でもジンがいちばん楽しくて好きやったんで、ジンにこだわりを持ったバーにしたんです。

⸺その酒のええところを教えてください。
香りが華やかで、飲みながら「何の香りやろ」って考えてしまうところです。ナンバーテンはタンカレーの上位互換っていう言い方をされるんですけど、生のグレープフルーツを使ってるので、一口でフルーティーな香りがぐっと広がるんです。僕にとって「飲む香水」ってイメージを初めて形にしてくれたのが、この一本。お酒強くない僕でも、40%あるのに、焼酎より酔わないんですよ。グレープフルーツっぽいな、とか香りを楽しみながら飲んでるから、流し込まへん。ソーダ割りでもトニックでも、ソーダとトニックを半々にしたソニックでも美味しい。「ジン=ジントニック」って思ってる人に、まずソーダ割りのナンバーテンを出すと「え、これお酒?」ってなる。それがいちばんうれしいですね。

⸺あなたにとって酒とは?
「楽しさを一緒に分かち合えるもの」ですね。ナンバーテンが教えてくれたのは、お酒を飲むこと自体の楽しさ。サラリーマン時代は家にこの瓶を置いて、朝「今日も頑張ろう」って気持ちで触ってたんです(笑)。いろんな酒に浮気しても、久しぶりに飲むと「ただいま」ってなる。ラベルは変わったけど、初めてワクワクしながら買った時の感覚は変わりません。お店も、堂山町になかった「お酒を本気で楽しめる場所」を作りたくて始めました。珍しいボトルも揃えているけど、本質は同じ。これからも「お酒ってこういう楽しみ方もあるんや」を伝えられる場所でありたいです。

※掲載時(2026年7月30日)の情報です
取材・撮影:はまだみか