⸺その衣装は?
紙芝居をするときに着ている衣装です。紙芝居屋としてのコンセプトを考えるときに、師匠のガンチャンから「紙芝居界のアイドルね」と言われたんです。初めはピンと来なかったんですが、自分の好みや憧れを考えたときに、昭和のコンパニオンさんの衣装をこの機会に着てみたいなって。普段着としてはなかなか着られないじゃないですか。70年大阪万博のユニフォームのような衣装がすごく好きで、インスタで調べていたら、偶然その年代風のワンピースをオーダーメイドで作ってる人を見つけて。プランソレイユさんっていう方なんですけど。この人に絶対頼もうと思い、オーダーして作ってもらいました。
⸺その衣装のええところを教えてください。
私のイメージカラーの黄色をベースに、赤色と水色の差し色が入ってる見た目の可愛さ。しかも、ジャージ生地で動きやすいんです。手を挙げたり走り回ったりするので、途中で生地を伸縮性のあるものに変えてもらいました。ベレー帽は、実は中学生の頃に古着屋さんで安く買ったものを今も愛用しています。帽子があったほうが衣装として目立つし、漫画家や画家がなぜかベレー帽被ってる人が多くて、絵を描く人のイメージもある。目立つし、覚えてもらいやすいから、呼び込みをするとお客さんが来てくれることも増えました。
⸺あなたにとって衣装とは?
名刺ですかね。初めて会った人に一発で覚えてもらえるし、自分の好みが爆発したアイデンティティでもあるし。紙芝居屋をやる前は、ホテルの受付で接客業をしていたんです。でも、コロナ禍で第2子を産んだタイミングでずっと家にいたら、気分が落ち込んでしまって。なにか習い事を始めようと探していたときに、ガンチャンの「紙芝居師100人プロジェクト」を見つけました。絵を描くのは元々趣味で、読み聞かせのボランティアをしていたこともあるし、なにより人と話すことが好きだったので、それが全部できる紙芝居屋は自分にすごく合っていたなと思います。「おきゃん」という名前もガンチャンがつけてくれたんですが、「おてんば娘」の意味。紙芝居界のおてんばアイドルを目指して、これからもみんなを楽しませます!
※掲載時(2024年5月21日)の情報です
文:オカジマアヤノ/取材・撮影:トミモトリエ