⸺そのガジェットは?
PS2のスケルトンコントローラーです。大学2年生のときにブックオフで出会い、僕がスケルトングッズを収集するきっかけになったもの。物心ついたときから電子基板や配線パターンを眺めるのが好きだったこともあり、内部の構造がよく見えるスケルトンは僕の心を掴んで離しませんでした。ちなみに両親曰く、僕の生まれて初めて発した単語は「パパ」でも「ママ」でもなく「電気」だったらしいです。僕は信じてないですけどね!(笑)
⸺そのガジェットのええところを教えてください。
やっぱり一番は、基板の美しい配置や振動モーターの動きが目に見えて分かるところ。スケルトンコントローラーは、ゲームという娯楽から得られる満足度を2倍にしてくれる媒体だと思っています。またこのコントローラーを使っていると、動きのメカニズムだけでなく、史上最も売れたゲーム機であるPS2がゲーム業界にもたらした革新、そして当時人々に与えた感動や熱量まで伝わってくるような気がして。そんな、多くの人の文化的バックグラウンドになっているゲーム機のコントローラーを、中古とはいえ300円で手に入れられるってアツくないですか? ジャンク品で修理が必要なものも多いんですが、この基板の配置は仕様なのか、それとも前の人の改造によるものなのか、など余白を想像する時間も楽しいです。
⸺あなたにとってガジェットとは?
僕の大学生活は、スケルトンとともにあったと言っても過言ではない気がします。PS2のソフトを持ち寄って友人と夜な夜なゲームしたり、旅行先でも必ずブックオフに寄ってスケルトンのガジェットを漁ったり。また、基板を分解したり修理したりする中で、内部構造への理解が深まりました。僕は大学でプロダクトデザインを学んでおり、3D プリンターを使って作品づくりをする際にも、この知識は大きく役立っていると感じます。たとえば、コントローラーは何万回もの操作に耐えられるように設計されているから、同じギミックを搭載すれば作品に耐久性が出るはずだ、とか。集めるだけじゃなくて、今度は自分でもスケルトンの作品をつくってみたいというモチベーションにもつながりました。
※取材時(2025年1月22日)の情報です
取材・文:伊原葉澄