⸺その縁起物は?
カラフルな最中の皮を飾った熊手です。長野の最中種専門店[種久商店]が販売している、小正月用の「もめん玉」を取り寄せて自作しました。本来はヤナギやミズキなどの枝に吊るすものとして売られているんですが、僕は勝手にアレンジして熊手に取り付けています。農作物や養蚕の豊作を祈願する「まゆ玉」の派生で、紅白の餅や団子を枝につける「餅花」の一種らしい。
⸺その縁起物のええところを教えてください。
僕は和菓子を愛する「あんこマニア」なので、最中の皮で作られた縁起物って、最高に縁起がいいな……と。サイケデリックな配色もいいんですよね。この中ではこのピンク色の鯛が一番気に入ってます。本来の使い方ではないし、ちゃんと一つひとつに意味があるんだけど、深く考えずにノリで作りました。
⸺あなたにとって縁起物とは?
ライトな精神安定剤……かな(笑)。昔から縁起物とか民芸品に魅力を感じて、特に意味もなく買ってしまうんですよ。本気で神にすがりたいわけではなくて、縁起物を買うことでちょっとポジティブな気持ちになるじゃないですか。よこしまな気持ちで縁起物を飾ってもいいと思うんです。本気で神棚を作ろうと思ったら、方角がどうとか決まりが多いけど、もっとライトに、自分が担ぎたいものを好きに担げばいいんじゃないの?と思ってます。
※掲載時(2023年2月8日)の情報です
取材・撮影:トミモトリエ