⸺その縁起物は?
僕がプロデュースする「うたげやART達磨」の第一作目で、CGERくんが絵を描いた作品。当時、色々と模索しながら「自分の店をオープンする」と祈願して、実際に達成できた時に目を入れた思い入れのある達磨です。昔から日本の伝統工芸品の縁起物が好きで、招き猫、こけし、福助さん……いろんなものを集めてましたが、達磨が一番アートと相性がよくて。縁起物としてアートを買う・贈る文化を広める活動をしています。
⸺その縁起物のええところを教えてください。
植物や動物をモチーフにした線と色使いがCGERくんらしい。特に、右横のオレンジ色の部分だけ世界観が違うところが好きです。今は達磨絵師としてデザインの幅も広がったけど、これはストリート色が強い初期の作風なんですよね。専属の達磨絵師は3人いて、力強い紋吉くんの作品や、ポップな女性絵師の作品も人気です。
⸺あなたにとって縁起物とは?
達磨のいいところは、オフェンス精神というか……「絶対夢叶えるぞ!」って強さだと思っていて。縁起物って、厄除けみたいなディフェンス側のものが多いんだけど、達磨は「目標を達成するための自分との約束の儀式」でもあるんです。祈願して左目に目を入れることを「開眼」、成就したら右目にも目を入れて「満願」っていうんですが、飾るだけではなく、目を入れる儀式に意味がある。最初に片目を入れる瞬間は、自分の夢に命を吹き込む感覚です。
※掲載時(2023年1月20日)の情報です
取材・撮影:トミモトリエ