⸺そのCDジャケは?
MT. Joyの2ndアルバム『Rearrange Us』。日本ではあまり知られてないけど、最近一番好きなバンドです。2016年にデビューした、フィラデルフィア出身・ロサンゼルス拠点の5人組バンドで、フォーク色の強い70年代のシンガーソングライターとかウェストコースト・ロックを、ある意味今の時代に最良の形で体現してるインディーロック。楽曲のクオリティ、演奏力、ヴォーカルの表現力、ルックス、全てが素晴らしい。久しぶりにリアルタイムのバンドで衝撃を受けました。
⸺そのCDジャケのええところを教えてください。
最初にSpotifyで曲を聴いて、音のイメージから入ったから、後からジャケを見た時に「なんかちゃう」って思ったんよね。純粋にアートワークとしてすごいと思うし、魅力的なイラストなんやけど、どこか違和感があってしっくりきてない。ただ、その理由が説明できない。スティーブ・ジラードってイラストレーターが描いてるんやけど、MT. Joyのメンバーは「最高のジャケ」だと評してる。Pファンクのアートワークで有名なペドロ・ベルのイラストにハマってた時代もあったし、こういうサイケなイラストも好きなんやけど、なんかちゃうんよ……って、ええとこの説明になってないな(笑)
⸺あなたにとってCDジャケとは?
CDを買う理由は、CDにしかなってない曲とか、あまりにレア過ぎてレコードで入手困難なアルバムを手に入れるため。あとは、アナログよりCDの方が音がいい場合かな。僕のDJスタイルは曲を繋ぐだけでなく「レコードを演奏する」って意識でやってて、レコードも他のDJと違うベクトルで掘ってると思う。ジャケ買いはするけど、アメリカのローカルアーティストのプライベートプレス(自主制作盤)によくある、「なんじゃこれ」って感覚とか、デッサンも狂ってるようなアウトサイダーアートな匂いを発するジャケに惹かれます。僕の中で「ジャケ買いの法則」があって、的中率は大体90%。そういう意味では、この『Rearrange Us』は「思ってたのとちゃう感じやねんけど、よかった」って部類かな。
※掲載時(2022年12月7日)の情報です
取材・撮影:トミモトリエ