⸺そのCDジャケは?
京都のレコード愛好家集団“Kyoto Best Kept Secret”のDJ IIDAさんのMIX『Blue Madness』です。
⸺そのCDジャケのええところを教えてください。
テナー・サックス奏者のティナ・ブルックスが、世界最長のジャズ専門レーベル「BLUE NOTE」からリリースした『TRUE BLUE』っていうアルバムがあって、そのパロディデザインなんです。ティナは、作曲も演奏技術もジャズ界で名を馳せる才能がありながら、レーベルにプッシュされなくて……。アルバム何枚分もの数をレコーディングをしてきて、ようやくリリースされた唯一の一枚。そんな不遇なティナに対してのリスペクトが伝わってくるんです。「Blue Madness」ってタイトルやジャケのデザインに、IIDAさんのロマンチックな人間性が出ている名盤です。店のBGMでも使うし、穏やかにテンションをあげていきたいときなんかに良く聞きます。特にMIXのラストの「KEEP YOUR HEAD UP」は、頑張ろう!って前向きな気持ちになれるんです。
⸺あなたにとってCDジャケとは?
アーティストが主張したいことが一番現れる部分だと思う。聞いてからジャケを見直したら、「こういう意味だったのか!」って気づいたり、新しい発見をくれるような、CDに欠かせない要素です。
※掲載時(2022年12月1日)の情報です
取材・撮影:関戸ナオヒロ