こんにちは。ヘンとネンの蛇行案内人、納谷ロマンです。
2024年、年が明けたと思ったらもう一月が終わろうとしています。そんな折、読者の皆さまはいかがお過ごしでしょうか。この連載を執筆している僕はというと、急激に気温が下がってことに嫌気がさしています。昨日とか、雪もちらついてました。なんなら今日(1月25日)もちらついてました、雪。どおりで、キーボードはもはや氷な冷たさやし、筆(指)の進む速度も下がるのにも納得でございます(毎度毎度言い訳がましくて、申し訳ありません)。
熱心な読者の方なら、この連載のテンションにも慣れてくれている頃でしょう。そして、聞いてください。第三回の連載を1月に公開したのに、なんと第四回の連載を2月に公開できそうなのです(いろいろあって、3月1日公開となりました)。今僕は、自分で自分を目一杯褒めたい気持ちであります。
と、前置きはこのへんで。今回の『売りたくない商品』にご出演いただくのは、普段から僕が古着や雑貨を買いに行っているショップ[toi]のオーナー・前川さんです。
店主の前川さんは、大学在学中(実はこの頃に大学内でスナップ撮らせてもらったことが!)に休学をしてカナダで古着のピッカーを経験。卒業後は大阪のレジェンド古着屋[pigsty]に就職。販売員やバイヤーなどを経験して独立した筋金入りの古着フリーク。そんな彼が営む[TOI]は、王道とはまたひとつ違う、一癖も二癖もあるアイテムが並んでいるのが魅力のユーズドストアです。実際、いわゆる王道なラインアップではないアイテムに価値づけするって難しいんですけどそれを見事にやってのけるから「センスあるなあ」と、いつも関心しきりです。
ちなみに、僕はというといろんなアイテムを買っているんですが、正直何買ったかが思い出せずにいます。ですが、記憶の範囲で配色とデザインがキュートなクロシェット(クロシェットともちょっと違う気がする)。それ以外にTシャツは何着かゲットしていたはず。王道の古着も好きだけど、他の人と被りたくないぞ!と、お思いの方は、是非とも足を運んでみてください。あと、ワンフロア上に倉庫があって、そちらも覗けるしそこでも買えちゃうってとこも魅力。店舗スペースと違って、雑貨や家具、小物にシーズン外のアイテムまでが揃ってます。
[TOI]でついつい買ってしまったものたち
こんな魅力的なアイテムが並ぶ[TOI]のオーナー・前川さんが売りたくない商品。いったい、どんなものなんでしょうか。独特なセンスの彼だけあって、どんなアイテムが出てくるのかワクワクしております。みなさんもそんな気持ちでご一読いただけると幸いです。
古着の醍醐味をひしひしと感じる、ギャグなのに、ファッションになるキャップ。
商品名:Cap with radio
仕入先:USA
ブランド名:不明
原産国:USA
売りたくない理由
アメリカに買い付けに行くときは、これってあんまり評価されてないけどもしかするとヤバイアイテムなんじゃない?っていう感覚を大切にしてるんです。というのも前職の[pigsty]では、王道にいいアイテム、それこそ年代とかブランドとかをしっかりと目利きする買い付けを覚えさせてもらって。それに反して自分の店という店では、そういう確固たる古着屋とは違った目線でアイテム選びをしなければいけないなあって思いが湧いてきたんですよね。だからうちの店には一癖あって、他ではまだ注目されてないかも?ってアイテムが豊富だし、そういうアイテムを一番最初にフックアップできる店でありたい。
このキャップもまさにそうで。アメリカのフリマとかに行くと、ちょくちょく見かける80’s〜90’sのキャップなんですけど、キャップにラジオが搭載されてる珍品なんです。今では、ラジオがスマホでも聴ける時代だし、テレビとかネトフリとかユーチューブとかたくさん映像コンテンツがある。でも、当時は娯楽としての価値も高くて、肌身離さず持ってたアイテムなんでしょうね。で、登山とか釣りとかアウトドアなシーンとかでも活躍していたキャップなんだと思います。それこそ、80年代にこのキャップを被って、グレイトフルデットのTシャツにリーバイス。足元にはビルケンみたいな人がいたはずだなって。
そういう提案をするためにも、この商品を売るにはもっと大々的に打ち出せるタイミングと商品の球数が必要だよなって思っていて。そういう意味で売りたくない商品ですね。売るってタイミングは多分、このキャップが大量にストックできたとき。おそらく売値は赤のメッシュの方が12,800円。ドジャースの方が15,800円とかですね。本当にプロダクトとしても気に入ってるんで、もしかしたらオリジナルでこのアイテムをサンプリングするかもしれないんで、楽しみにしててください。
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