超生命体の偏愛図鑑

ERICA さん

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サンバダンサー(35歳)
大阪市在住/大阪出身

ブラジルで買った「全員こっち見て!」な一着。破けても踊るメンタル勝負のサンバ衣装

⸺その衣装は?
初めてブラジルに行ったときに買った、ピンクのサンバ衣装です。リオのカーニバルで優勝したときの衣装じゃなくて、初めて出たときに、同じチームのトップダンサーが着ていた一着を買わせてもらった衣装です。向こうでは一回しか着ないから、譲ってもらえる文化があるんです。羽だけで4キロぐらい。3歳からダンスをやって、夢だったテーマパークのエンターテイナーにもなれて、そのあとインストラクターもやったんですけど……教え子が高校生になったタイミングで、もっとスキルのある先生のところへ行ったほうがいいと思ってやめました。その後、もう一回人に習いたくてタヒチアンダンスを始めたときに、インスタでサンバの衣装を見て「着たい!」ってなって。大阪のブラジル人の飲み友達に「日本で一番有名なブラジル人の先生を紹介して」って頼んで、サンバを始めました。

⸺その衣装のええところを教えてください。
お気に入りポイントは、やっぱり後ろの羽。下まであって、存在感がすごい。ピンク大好きで、バービーみたいなかわいさなんです(笑)。これを着て、いちばん仕事してるかもしれない。衣装はめっちゃ重いし、風で揺れるし、ヒールも高いし、頭もめちゃくちゃ締め付けられる。普通のダンスやったらバーって踊れるところも、この重さで回られへんときがあります。リオのカーニバルは700メートルを70分間踊り続けるんですよ。0.01点差で順位が動くぐらいシビアな大会なんで、衣装が破けても、コルセットが取れても「何もなかったように」踊らんとあかん。メンタル勝負です。3年前に、日本人で初めて、山車の上に乗れたんですけど、自信なく行ったら失礼やと思うんです。この衣装を着て、「私を見て」って感じで、何を言われても堂々としておかないとダメですね。

⸺あなたにとって衣装とは?
「文化の服」ですね。サンバの衣装って文化の服なんですよ。露出は多いけど、日本でいう着物みたいなものだと思います。着て踊るとアドレナリンが出て、やめられへん。舞台に立ったら「全員こっち見ろ」って思うぐらい、見られるのが好きなんです(笑)。リオのカーニバルでも、7万人ぐらいおるけど、「全員私のこと見てるかな」ぐらいの感じで踊る。それが気持ちよくて、踊るたびに幸せやから、やめられへん。しかもサンバって踊りながらフーフー言えるダンスやから最高で、ストレスも発散できるんですよ。サンバは一年目にブラジルへ行くって決めたときから、「5年行かへんかったら実力にならん」と思ってて。あと2年は絶対行きますね。5年後に何か変わるかもしれへんけど、サンバ自体をやめることはない。私、これ以外何もできへんと思う。これからも、この衣装で、「私がここの位置よ」って堂々と踊り続けます。

※掲載時(2026年8月27日)の情報です
取材:はまだみか
撮影:あふろちゃん