
アメリカ村に“ピンク社長”こと栗原ゆうさんプロデュース、イベント特化型ミニシアター「Theater Aimyou(シアターエミュ)」がグランドオープン! 記念すべき開館日の11月15日、オープニングイベントに潜入してきました!
イベント特化型ミニシアターって?

Theater Aimyou(シアターエミュ)は、大阪・アメリカ村にオープンした、1スクリーンに20席からなるミニシアター。
映画×イベントをコンセプトに、上映だけではなくトークイベントやコラボレーション企画などを通じて「つながりを生む」映画館なんだそう。
大阪未上映の作品や短編映画、再上映作品、さらに映画監督や映画好きの方々によるセレクション上映など、“インディーズ映画”と呼ばれる作品を中心に上映予定。

アイドルカフェやイベントのプロデュースを手掛けてきた栗原ゆうさんと、俳優で映画プロデューサーの広山詞葉さんが共同で企画・運営しています。

実際に映画も鑑賞しましたが、一見カフェのようなお家のような、アットホームな空間なのに、いざ上映が始まると紛れもなくここは映画館!

大画面のクリアな映像に、前後左右から立体的に聴こえる音響。重低音もずっしり体で感じて、ハイクオリティな映画体験。それもそのはず、使用スピーカーは本格的な没入感を得られる7.1chサラウンドシステム。「形だけの映画館を作ったと思われたくない」と、音響・映像に徹底的にこだわったそうで、シアター設備はとんでもない金額だそうです……!

椅子にソファにハイチェアにヨギボーに、多様な座席から好きなものを選べるのも楽しい。お家みたいにリラックスしながら、本格的な映画体験ができる贅沢!
映画は好きだけど広い映画館は身構えてしまい、足が遠のいていた私にとって、シアターエミュはすごく敷居が低く感じました! カフェに入る感覚で映画館に入れる。私と同じように救われる人、結構いるんじゃないかなあ。
その日の気分によって座る席を変えられるのも、何度も通う楽しさがあっていいですよね。
「映画を知らない」からこそ入り口を広げられる

そんなシアターエミュがなぜできたのか、誕生までの経緯や想いについて知るため、プロデューサーの栗原ゆうさんにお話を聞きました。
──シアターエミュを作ろうと思ったきっかけを教えてください。
シアターエミュのスーパーバイザーである広山詞葉(ひろやま ことは)とは20年来の友人なのですが、彼女は俳優でありながら映画プロデューサーとしても活動していて、映画を作る・観てもらうことの大変さをずっとそばで見てきました。 映画業界の方って本当に真面目な人が多くて、「いつ寝てるの!?」って思うぐらいずっと働いているんです。それでも、お金を稼ぐのがとても大変で。
私はこれまで8年間、「Live Cafe & Bar Aimyou Ribbon(エミュリボン)」というステージ併設型のカフェバーを運営してきました。そこで、アイドルや声優を目指す子たちが活躍し、応援される「エンターテイメントを育てる場づくり」をしてきた経験を、映画の分野でも活かせるんじゃないかと考えたんです。 興行収入だけでなく、イベントやコラボカフェの収益を通じて、作品や作り手を支援できるシステムが作れるのではないかと。
──栗原さんは、元々映画がお好きなんですか?
それが、まったく観てこなかったんです。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』さえ観たことなかったぐらい!(笑)。 今回、館内のイラストをアーティストのbuggyさんに描いていただいたんですが、ここで一緒に映画を観ながら「いい大人が初見のリアクションしてるの新鮮すぎる!」って感動されました。buggyさんには映画のことをたくさん教えてもらいましたね。
シアターエミュを作ると決めてからは、全国のミニシアターへ挨拶に回りました。私は映画を知らないけれど、知らないからこその視点もありますし、今まで映画館に来なかった人への入り口を広げられると思ったんです。

──「入り口を広げる」って素敵です! コラボメニューはアルバイトのみなさんが考案したと伺いました。
そうなんです! 彼らはSNSの募集だけで集まってくれたんですが、本当にクリエイティブな子たちが多くて。カフェのメニュー表だけでなく、予告編や上映中の注意ムービーも全部アルバイトの子たちが作ってくれました。 ただ働いてもらうだけじゃなく、監督さんが来た時に紹介したりと、彼らの特技を活かせる場でもありたいですね。
──今日オープンして、やりたいことは実現しましたか?
実現しました! 毎週末、上映に加えてトークイベントやコラボフードなどの企画を組んでおり、年内はすべてスケジュールが埋まっています。 これを続けるのは簡単なことではありませんが、まず1年間はしっかりと土台づくりをしていきたい。映画好きな人が作品愛をより深く掘り下げられる場所でありつつ、あまり映画館に行かない人にとっては入り口となる場所でありたいんです。
──今回のセレクション上映は、まさにその形ですよね。

そうですね。相沢梨紗さんと原田ちあきさん、それぞれのファンの方が「お二人が好きな作品なら」と興味を持ってくださっています。映画業界ではない人がセレクトするからこそ、作品を幅広く知ってもらうことができ、新しい交流も生まれると思うんです。上映前の予告編を観て、さらに気になる映画が見つかるかもしれませんし。
ただ、セレクション上映って準備がすごく大変なんですよ。映画を上映したくても、権利が切れていたり、誰が所有しているか不明になっていたりするケースもあって……。そこは広山がいろんな配給会社にメールを送って、粘り強く対応してくれています。

──今後やってみたいことはありますか?
シアターエミュを拠点として「アメリカ村映画祭」をやりたい! 私、小学生の頃からアメ村に遊びにきていて、ずっとこの場所が好きなんですよね。アメ村ってアートや音楽の祭典はあるけど、映画祭はなかった。 あと、アメ村で映画を撮って、アメリカに輸出して賞を取るのも夢。
昔、アメ村の生みの親とも言われる日限萬里子(ひぎり まりこ)さんの話を祖父から聞いて、「私もヒギリマリコになりたい!」と思ったのを覚えています。ここから新しい文化を作っていきたいですね!
──アメ村映画祭! めちゃくちゃ楽しみです!
舞台挨拶はコラボフード実食にアクションシーン実演まで!

シアターエミュの初上映作品は、映画『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編]』。上映後の舞台挨拶には、キャストの松本卓也(真中卓也役)さん、伊能昌幸(国岡昌幸役)さん、藤澤アニキ(真中陸斗役)さんが登場しました。
フレイムユニオンは、フリーの殺し屋・国岡昌幸を追ったフェイクドキュメンタリー。
シリーズ第3弾では、同じく殺し屋の相棒、真中卓也が仕事で大きなミスをして謹慎処分を受け、父親の真中陸斗に実家に連れ戻されます。家事手伝いをしていた真中が「本当は殺し屋やめたくないんじゃないの?」という国岡の言葉に触発され、元祖京都殺し屋ランキング1位でもある父親に決闘を挑む物語。真中の成長と国岡との絆が描かれた作品です。

上映チケットに舞台挨拶イベントがセットになったチケットは完売!
撮影の裏話にコラボフードの実食、さらにアクションシーンの実演まで盛りだくさん。笑いが起きたり、真剣な眼差しで見つめたり、終始楽しそうなキャストとファンのみなさんが印象的でした!

お客さんからの質問タイムもあり、ミニシアターならではの距離感の近さと、シアターエミュならではの企画力が光ります。映画を作る人、観る人が交流する場として、大きな可能性を感じました。「上映したら終わり」じゃない真の作品愛と業界の持続可能性がここにはある。

映画の余韻に浸れる「シアターカフェ」

館内は映画を鑑賞できるだけではなく、シアターカフェとしても営業。上映時間やイベント時間外であれば、入場料フリーで誰でも自由に利用できます。
映画コラボフード・ドリンクは、シアターエミュのスタッフがみんなで考案しているそう。その会議、絶対に楽しいやつ。映画内で登場するものや世界観をイメージしたものなど、作品ファンが上映前に気分を高めたり、上映後に余韻に浸れたりするものばかり。

どれも写真映えばっちりの可愛さで、カフェとしても利用しに来たくなるんですよね。コラボメニューがあることで作品を知るきっかけにもなり、実際に映画を観ることで料理やドリンクの正体、イメージを「答え合わせできる」という楽しさもあると思います。
肝心のお味もGOOD! 調理師免許を持つスタッフが在籍しているそう。私はガパオライスがとくに美味しくて、爆食いしてしまいました……。
映画監督や映画好きの方によるセレクション映画のコラボメニューでは、セレクトした映画監督や俳優、アーティストの方によるオリジナルグッズが付いてくることも! 観て食べて嬉しい特典です。
相沢梨紗さん×原田ちあきさん×栗原ゆうさん オープニングトークショー

この日最後のイベントは、元でんぱ組inc.の相沢梨紗さん、イラストレーターの原田ちあきさんをゲストに迎えた、オープニングセレモニートークイベント。映画好きで知られるお二人によるセレクション上映作品について、また、シアターエミュで今後やりたい企画について話しました。

このイベントは舞台挨拶同様、20席限定のプレミアムシート! 惜しくもチケット抽選に外れてしまった人も、配信チケットを購入して参加していました。今後開催される他のイベントでも配信チケットを販売予定で、遠方に住んでいて来場が叶わないお客さんも、リアルタイムで同じ空気感を味わうことができます。

セレクション映画を鑑賞、あるいはコラボメニューを購入するともらえる(コラボメニューは先着順)、お二人の描き下ろしイラスト入りポストカードやステッカーについても紹介。
今後は、一般のお客さんによるセレクション上映やホームビデオの上映、貸切営業なども……? 「全部やろう!」と、シアターエミュの未来にワクワクするトークショーでした。

さらに、11月11日に誕生日を迎えた栗原ゆうさんへの粋なサプライズも! 「シアターエミュのことでいっぱいでそれどころじゃなかった!」と栗原さん、とっても幸せそう♪
作品のファンとそれぞれのファンが一堂に会する、まさに「つながりを生む」夜でした!
シアターエミュは、映画館の常識を変える
シアターエミュは、イベントプロデュースのプロであり、映画初心者の目線も持つ栗原さんだからこそ成せるアイデアの集大成。
鑑賞体験にとどまらない斬新なイベントや、異業種コラボで広がる新しい世界。アメ村から始まるシアターエミュの挑戦に、ワクワクが止まりません!
上映チケット料金は、一般2,000円、学生1,500円、幼児1,000円。
上映スケジュールやイベント情報の詳細は、公式サイト、公式Instagramをご覧ください!




