超生命体の偏愛図鑑

柴原一仁 さん

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TYPHOONMART 店主(52歳)
大阪市在住/枚方市出身

流行なんて関係ない!若き衝動で作ったパーラメントのジャケ風サングラス

⸺そのサングラスは?
20年くらい前、自分のブランドの初期のころに出したサングラスです。僕はもともと雑貨屋をしていて、音楽をやっている友人たちから人気だったのがサングラス。買い付けに出かけるたびに、変わったモデルを探していたんです。僕自身も音楽が好きで、ファンクバンド「PARLIAMENT (パーラメント)」のアルバム『CLONES OF DR. FUNKENSTEIN』のジャケ写で着用されているサングラスをずっと探していたのですが、情報もモノも見つからず……そのうち「ないなら作ったらいい」と思うようになりました。何度も工場から門前払いを食らう中、ひょんなきっかけで量産にこぎつけ、大枚をはたいて作ったのが、この「ブラックホーネット」です。

⸺そのサングラスのええところを教えてください。
ノーズガード付きの独特なデザインです。これは定かではないのですが、海外の友人いわく「元のサングラスはファッションアイテムではなく、工業用では?」とのこと。この形を金型から作って大量生産するなんて発想、アホだったなと思います。初期衝動と勢いでやったんだなと。今見ると、作りが甘い部分もあるのですが(笑)。完成したときはうれしくて、自分の部屋に並べて眺めました。周りの友だちが喜んでくれたのも、いい思い出です。

⸺あなたにとってサングラスとは?
このサングラスは、当時の自分の姿を思い出させ、奮い立たせてくれる装置です。僕の商売の原点は、自分が欲しいものを扱う、ということでした。ブランドかどうか、売れるかどうかなんて関係なかったんです。あの頃は我ながらアホで、でもパワーはあったなと。たまにこれを手に取ると「ダラけているんじゃないか? もっと頑張ろう!」という気分になります。今はいろんな情報が手に入るし、目的まで最短距離でたどり着くことができます。だけど、とにかく挑戦して、結果遠回りになってもいいのでは、と思います。

※取材時(2024年12月19日)の情報です
取材・文:山瀬龍一