⸺その棒は?
「超強力極太」のHGPシリーズの突っ張り棒です。私が社長を務める突っ張り棒メーカー・平安伸銅工業の主力商品で、業界最強の耐荷重で最大80キロまで支えられるんですよ。突っ張り棒の種類は年々増え、棒状のものだけでなく、元から棚になっているものも含め弊社だけでも約100種類。なかでもDIYパーツ「LABRICO(ラブリコ)」シリーズの「アジャスター」が人気です。住宅用の規格木材を突っ張り棒化できるパーツで、プラモデル感覚で組み立てられます。また、突っ張り棒を暮らしを豊かにする「一本の線」と再定義した「DRAW A LINE(ドローアライン)」シリーズも「見せる突っ張り棒」として暮らしをお洒落に演出できますよ。
⸺その棒のええところを教えてください。
長さや太さを自分で決められるところです。収納に便利な突っ張り棒ですが、扉の代わりに取り付けると間取りも自由自在に。暮らしの中心は道具や家ではなくて、人であってほしいと思っていて。家の中を快適に、素敵にするには「モノを捨てなさい」という考え方が主流ですが、私はモノで溢れていてもいいと思うんです。変幻自在な突っ張り棒を駆使して、隠すと見せるでメリハリを付ければ、好きなモノに囲まれながらでも暮らしやすくできるはず。
⸺あなたにとって棒とは?
「暮らしの相棒」です。突っ張り棒のない生活は考えられません。私はド素人の状態で会社を継いだのですが、入社当初からユーザー目線を大切にしてきました。「隙間があれば突っ張りチャンス!」と思い、押し入れの中や冷蔵庫のドアポケットなど、他社製品も含め自宅で100本以上の突っ張り棒を使っています。より幅広い活用方法を広めるため「つっぱり棒博士」を名乗るようになり、「TAROMAN」の生みの親としても有名な映像作家の藤井亮さんによる特撮CM『暗黒帝国アジャスター』に出演したり……。ちなみに、トレードマークのボーダーTシャツも突っ張り棒をイメージしています。作業を楽にして、好きなモノを愛でる。これからも突っ張り棒と一緒に暮らしやすさを追求していきたいです。
※掲載時(2024年7月12日)の情報です
文:オカジマアヤノ/取材・撮影:トミモトリエ
撮影場所:平安伸銅工業株式会社 大阪本社