超生命体の偏愛図鑑

ロドルフォ・セペダ さん

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貿易商・空手道師範(64歳)
大阪市福島区在住/メキシコ・コアウイラ州出身

巾着と草履で“大阪のおっちゃん”を体現するメキシカン社長

⸺そのバッグは?
新潟の温泉旅館で入手した巾着袋です。食品を扱う商社を経営している関係上、日本全国の生産地に出向くことが多くて、巾着袋はそのたびに探してんねん。旅館もそやし、酒蔵とか、登山記念のやつとかね。日本に住んで40年近くになるけど、どれを取ってもメキシコにはない「ザ・日本」な最高の文化やと思います。何より取り回しがいい。巾着袋に草履で野田の街を歩くのが、俺のスタイルやね。

⸺そのバッグのええところを教えてください。
やっぱりかわいいやん、このいかにも日本らしい色づかいとデザインが。裏地にわざわざ別の布を使っているところ、ひもの先についた木製の飾り玉なんかも、日本的な気の利かせ方ちゃうかな。巾着袋自体は全部で20袋は持っているけど、これは小さいように見えて荷物が入るし、布地もしっかりしている。そやから、たとえばジムから立ち飲み、立ち飲みから銭湯みたいに、近所でいろいろ用事を済ませるのにはぴったりなんよ。

⸺あなたにとってバッグとは?
巾着袋に限っていえば、仕事モードの自分をオフに切り替えてくれるアイテムやね。手にすることで肩の力が抜けるし、「これから遊ぼう」と陽気な気分にもさせてくれる。ある意味、ラテン的な要素がある道具なのかもしれへんね。逆にいうなら、ビジネスの場には絶対持って行かへんで(笑)。商談は商談でバシッとキメるからこそ、俺にとっての巾着袋の役割はより大きくなるんやと思っています。ビバ、ハポン!

※掲載時(2024年7月4日)の情報です
取材・撮影:関根デッカオ